つむぎの人のお話〜合同会社つむぎ果樹園〜

新葉のオススメ』のコーナー。

今回は、全国でも注目されているたからももの生産者、

合同会社つむぎ果樹園さんへ訪れました。

合同会社つむぎ果樹園さんは、2021年、個人経営から法人化をしました。

代表の前坂くんが考える法人化に対しての想いや、その歴史について深掘りをしていきたいと思います。

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  • 合同会社つむぎ果樹園

つむぎ果樹園のつむぎは、「紡ぐ」から来ています。

紡ぐという意味の由来は、蚕の繭からよりをかけて糸を作るという、農業に所縁のある言葉です。

また、一つ一つの言葉を繋いで、物語にしていくという意味もあります。

つむぐではなく、つむぎにしたのは、果樹のを継いでいくという想いを「つむぐ樹→つむぎ」に込めたそうです。

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※1子供が書いた字体がデザインに。

果樹栽培は、長い目で先を見越さないと、結果が出ません。

今つむぎ果樹園さんの地区は、大きな問題を抱えています。

せっかく先代方が作ってくれた産地ですが、果樹農家は高齢化が進み、跡継ぎは少なく、このまま若い人が果樹から居なくなってしまうのでは?

との危機感を、前坂くんは抱いていました。

そこで彼が法人化を決意したのは、次世代のために、生産だけではない魅力や地域の担い手として、土台を今のうちに作りたいとの願いがあるそうです。

つむぎ果樹園という名は、先代の努力と歴史を紡ぎ次世代に繋げていきたいとの、想いがある会社名です。

そんな想いがTwitterにて呟かれていました↓

https://twitter.com/tsumugiff/status/1411095093860204544?s=21
  • 始まり

前坂くんがお住まいの地区には、ピーク時に約50軒の果樹農家がいたそうです。

そもそも始まりは、なぜ果樹だったのでしょうか?

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それは約60年程前、減反政策が始まった頃、おじいちゃんが転作として始めました。

周りの方が、梨の樹を植えるのを真似て、自分の山にいくつかの果物の樹をを植えたのがきっかけ。

スタートは梨だったんですね。

とはいえ周りの方も真似する方が増え、50軒もの集落を作ったのは、開拓根性のある先代達の力があってこそですね。梨→桃やリンゴが定着していきました。

しかし、この地は雪が多く、雨も多いため、果樹栽培には不向きだったそうです。

その苦労を転換し、二代目である前坂くんのお父さんが取り組んできました。

  • お父さんの考え方

前坂くんのお父さんは、長くサラリーマンを務めていましたが、定年を待たず、初代の開業した果樹園を継ぐことになりました。

今から23年程前だと聞いてます。

継いで間もないお父さんに、地域の名人は語ったそうです。

「桃は、御中元(※2)の時にしか売れないから、品種は、白鳳と、和白の2種類あれば十分やな。」

と。

※2飛騨は旧暦なので、御中元の時期はお盆になります。当時、桃の多くは、飛騨地域内のみの消費でした。

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しかし、お父さんは、他の品種も作ってみないと分からないと、色々な品種を試し、栽培したそうです。

また、多くの果樹農家の方が、リンゴや、梨などの栽培も並行する中で、お父さんは主力を、桃に絞って作ってきました。

この多品種栽培と、品目の一本化をしてきたことが、つむぎ果樹園の大きな土台を作るきっかけになったのです。

今では約30品種のを7月から10月までと、長い期間提供出来るのは、飛騨の果樹農家の中でも、つむぎ果樹園さんの強みでもあります。

  • 3代目の跡を継ぐ決意

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前坂くんが跡を継いだのは、今から11年前。

大きな決断を迫られていました。

前坂くんは、大学卒業後、建築関係の仕事をしていました。

仕事に対して色々な不安を持っていたタイミングで、お父さんから相談が。

「近所の人から、果樹畑を借りんか?って話が来たんやけど、今後家を継ぐつもりはあるか?無かったら、これから家も規模を縮小していこうと思うんやぁ。」

社会人2年目の前坂くんは悩みました。

桃をやったらどうや?悪くは無いぞ。

と、お父さんからの言葉。

現在の農家さんの中で、家を継いで就農してもやっていけるぞ。と子供に対して言える親がどれだけいるでしょうか?

その言葉を胸に、前坂くんは跡を継ぐ決意をしました。

  • 先見の明

桃栗三年柿八年」という言葉があるように、桃は実が成るのに3年掛かりますが、安定した収穫量を得るためには8年の月日が掛かります。

前坂くんが就農して、11年。

就農したタイミングで植え替えてきた桃の樹が、今最高の状態で収穫を迎えています。

つむぎ果樹園さんはまだ進化中。5〜6年後、この先もっと美味しい品種の桃が世に出てくると思うと、楽しみでなりません。

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  • まとめ

  1. つむぎ果樹園の名前の由来は、紡ぐ。今までの経験と歴史これからの未来まで紡いでいくという決意と願いが込められている。
  2. 法人化したのは、地域の担い手として、果樹栽培をこの地に残していくため。
  3. 飛騨の土地では果樹栽培は向いていなかった。しかし、お父さんは色々な品種の栽培にチャレンジもした。たくさんの努力を重ねてきた。お父さんは、つむぎ果樹園の土台を作った。
  4. 飛騨地域でも、多品種の桃を長い期間提供出来るという、つむぎ果樹園さんの強み
  5. 職業の選択肢の中に「農業」をするという環境を与えてくれたお父さん。その想いを継いだ前坂くん。
  6. 今後も、もっと美味しいが、出てくる可能性がある

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つむぎ果樹園さんは、地域の果樹組合を抜けましたが、それは未来の地域の事を考えた結果だと察します。「自分でやり切る」と、決意を持つ前坂くんに更なる期待と共に、今後も進化していく、つむぎ果樹園さんに、ご注目ください。

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